<南スーダン事業>
共同作業を通じた民族融和と平和的共存の促進
紛争解決を担う次世代リーダーの育成と多民族の平和的共存
<2018年12月更新>
事業の背景
南スーダンは約20の民族から成る多民族国家で、JCCPは2009年から同国で活動を行っています。2011年にスーダンから独立した南スーダンでは、2013年12月以降、政権内の派閥闘争が激化し内戦に発展しました。2016年7月には首都ジュバで激しい武力衝突が起き、それをきっかけに戦闘が全国に飛び火しました。結果、国内避難民(故郷を追われ国内の別の場所での避難生活を強いられる人々)の数が急増し、2018年9月末の時点での国内避難民数は190万人となっています(UNHCRより)。
南スーダンの位置
(地図は外務省ホームページから引用)
国内避難民キャンプや周辺の地域では、さまざまな原因による対立があります。民族の違い、国内避難民と受け入れる側の住民(ホストコミュニティ)のトラブル、従来からの国内避難民と新しく来た国内避難民との間の対立などです。さらに、政情不安や食糧難といった厳しい状況から、暴力に至るいさかいが日常的に起きています。
事業概要
JCCPは2016年12月より、多民族が平和的に共存するコミュニティづくりを目的として、首都ジュバ近郊の国内避難民キャンプの国内避難民と地域住民を対象に、コミュニティ内の争いを解決する次世代リーダーの育成と多民族による共同作業を通じた融和・信頼醸成の取り組みを行っています。

JCCPの取り組み
・次世代リーダーの育成
問題が起きた時に、暴力に頼らず平和的に解決できる次世代のリーダーを育成するため、紛争の予防、調停や解決、リーダーシップを学ぶ研修を行っています。次の世代を担う若手リーダーと、現在の有力な地域の指導者が、お互いに協力しながら紛争に対処できるような関係づくりも支援しています。また、育成された次世代リーダーが中心となって、より多くの人々に平和的な問題解決を広める啓発活動ができるよう、研修を行っています。南スーダンの人々が自らの力で紛争を解決し、平和を維持できるようになることを目指しています。
紛争管理研修を受講した直後に、近くの市場で女性たちが言い争う現場に遭遇した次世代リーダー(マーク)は、学んだことを生かして仲裁し解決に導くことができました。彼が受けた紛争管理研修の詳細はこちら
>紛争管理研修
・平和的共存のための共同作業
国内避難民や地域住民が共通の課題の解決のため共同作業を行い、ともに働くことを通して、民族、国内避難民、ホストコミュニティ(受け入れ側地域コミュニティ)の違いを超えた交流を作り出します。具体的には、深刻な食糧難という共通の課題に対して、野菜の栽培作業と、収穫した野菜を長期保存する食料加工ができるよう、環境の整備と技術指導を多民族グループにて行っています。
共同作業では異なる民族間のコミュニケーションを増やすための工夫を取り入れています。希望する野菜の種は民族間で交換しあうよう、くじ引き方式で配布しました。共同作業について詳細はこちら
>野菜栽培と食品加工を通じた共同作業
隣人が争い合っていても関わらないようにしていた次世代リーダー(ムバラク)が、積極的に争いを仲裁するようになりました。紛争解決のノウハウを身につけた若者は、どのように変わっていったのでしょうか。詳細はこちら
>サクセスストーリー

・民族の共存レベルの調査分析
JCCPでは、多民族の平和的共存と関係改善のレベルを定量化して測るために、「民族の共存レベルの調査分析」を行っています。平和構築を行ううえで、「平和的な共存」「和解・融和度」という状態を的確に分析し変化を把握することは極めて重要ですが、国際機関含めて、いまだ標準化された方法はありません。JCCPでは、独自の指標を策定して、平和的共存の取り組みの効果を測定し、事業の評価と改善に活用しています。
民族の共存レベルの調査分析について詳細はこちら
事業の成果
(国内避難民キャンプ3地区の第1期・第2期事業の合計:2018年1月時点)
・指導者および次世代リーダー296人に紛争管理研修を実施。
・住民のべ2,597人に信頼醸成や暴力予防についてのコミュニティ啓発を実施。
・住民のべ1,179人に民族を超えた共同作業にむけて野菜栽培・食品研修を実施。
・JCCPが育成した指導者と次世代リーダーが国内避難民キャンプの紛争を解決する割合が増加。避難民キャンプの一つでは、紛争解決の68%に本事業が育成した人材が貢献。
実施事業の詳細についてはこちら
・第1期 2016年12月〜2017年8月
・第2期 2017年8月〜2018年1月
・第3期 2018年3月〜2018年10月
・第4期 2018年11月〜2019年8月
本事業はジャパンプラットフォームの助成金と皆様からのご寄付により実施されています。また、JCCP M株式会社様より南スーダン事業2018へのご協賛をいただきました。










