JICA草の根技術協力事業:シリーズ第5号 ―農村開発支援の紹介・コンポンチュナン州― | 2005/04/12 | 今回は、日本紛争予防センター(JCCP)が、現在、国際協力機構(JICA)と実施している草の根技術協力事業「武器回収・農村開発事業」における開発支援の一例をご紹介したいと思います。 開発支援は、地域の現状と必要性に合わせて実施しているため、その種類は多岐に渡ります。今回はその一例として、コンポンチュナン州ロリアビア郡での窯の支援をご紹介します。 首都プノンペンから北西へ約100kmに位置するコンポンチュナン州では、独特の赤土が陶芸に適しており、約7千年以上昔から陶芸が行われています(クメール語でコンポンは港、チュナンは鍋の意味)。ここで生産された鍋・釜・茶碗など様々な種類の製品は「コンポンチュナン焼き」と呼ばれ、プノンペン、シェムリアップをはじめ、カンボジア全土の人々に愛され、広く使用されています。 クメールの伝統文化が禁止されたポルポト時代には、陶芸も禁止され、伝統工芸が破壊されましたが、ポルポト政権崩壊後は、祖先より長年にわたり引き継がれてきた陶芸が復活しています。 | | | コンポンチュナン焼の製作者は女性が多い | 木製の作業台を使用 | 現在では、コンポンチュナン州の多くの家庭で本業および副業(例:農閑期のみ)として、陶芸が行われています。これらの陶芸品は、生活用品としての水がめ・鍋・花瓶などから民芸品としてのワニ・亀・かぼちゃ・ランプの置物など、多岐に渡ります。これらは、地元の市場で販売されたり、牛車でプノンペン、その他各地まで搬送、販売され、住民の貴重な現金収入源となっています。 従来より住民が使用している窯では、陶芸品の強度が低く、壊れやすい製品となっていました。一方、消費者の需要は多品種、高品質の陶芸品であるため、その対応が迫られていました。 そこで、すでに住民が身につけている技術を生かし、さらに質の高い陶芸品を製作するために、高温にも耐えられる窯を設置しました。その窯は地域住民であれば誰でも使用できる、地域の「公共施設」となっています。 報告者:寺西 悦子 |