| アフガニスタンの地雷対策活動はMAPA (Mine Action Programme for Afghanistan)と呼ばれ、国連の調整機関であるMACA (Mine Action Centre for Afghanistan)と、15のNGOから構成されています。Mine Action(地雷対策)という言葉は地雷除去のみならず、地雷原調査、地雷回避教育、被害者支援なども含んだ包括的な活動を指し、アフガニスタンでもこれらの活動がMAPAの枠組みの中で実施されています。15のNGOのうち、11のNGOがアフガニスタンのNGOであり、雇用創出、キャパシティビルディング、そしてこの活動の継続性という意味でもこのアフガニスタン人を活用しているMAPAは高く評価されています。MAPAの枠組みの中で外国人国連職員はおよそ10人程度なのに対し、アフガン人は除去員も含め約7000人と、非常に外国人の割合が小さいのが特色です。 ここではその活動の中でも実際の地雷除去について紹介したいと思います。 現在アフガニスタンで地雷除去を行っているNGOは上記15のうち8つで、そのうちの6つのNGOがアフガニスタンNGOです。(残りはイギリスとデンマークのNGO) そのアフガニスタンNGOの中でも最大規模(スタッフ数約1500人)を誇るATC (Afghan Technical Consultants)は人手による地雷除去(Manual Clearance)と機械による地雷除去(Mechanical Clearance)をアフガニスタン全土で行っています。このATCがカブール空港周辺で行っている活動のうち、人手による地雷除去について写真を交えながら説明します。 地雷原調査(聞き取り調査から始まり、調査員、機械や地雷探知犬を使い、地雷原を絞り込んでいきます)によって地雷原と特定された地域には赤く塗られた石でマーキングがされます。 白い石の置いてある地域は地雷がない、または地雷除去された地域を意味します。つまり、地雷除去活動のために整備された通路と地雷原の境目には赤と白の石が並べられる事になります(写真1)。地雷除去員はそれぞれ、通路から地雷原に向かって地雷除去を進めて行きます。地雷除去員が身に付けている最新の防護服とヘルメット及びバイザーは2002年1月の日本からの援助の一部で、9月11日以降の混乱によって失われた従来の古いタイプのものに比べ安全性が格段に向上していて、地雷除去員の安全に貢献しています(写真2)。実際に除去員たちに話を聞いても、最新の防護服を身に着けているという安心感があるそうです。 まず金属探知機で反応を探り、反応したものはすべて地雷と仮定してプロッターと呼ばれる棒で形を確認した後にナイフで土を削り(写真3)、物体が地表に現れるまで丁寧に作業を続けます。ひとつの地雷が見つかるのに何千個もの金属片や薬きょう・不発弾を掘り起こすそうで、この作業の過酷さが垣間見えます(写真4・5、集められた不発弾や薬きょう)。地雷を発見した場合、地雷を示す旗を指し(写真6、真ん中の旗)、解体ではなく爆破作業によって地雷を除去します。これを夏の炎天下も冬の極寒の風が吹く中も続ける事により、地雷原が人々の住む大地となり、作物の実る耕地となります。 地雷除去チームの後方には必ず医療班が待機し(写真7)、万が一地雷除去員の事故があった場合に救急の手当てが出来る設備が整っています。 地雷探知犬(写真8)がアフガニスタンでは地雷原調査の段階から活用されており、その探知能力の高さや費用の面からもその活用が評価されています。この地雷探知犬の活動についてはまた別の機会に報告したいと思います。 地雷除去活動は平地だけでなく、住宅地や丘のような場所(写真9)なども対象にしなければならず、地雷除去員には高い技術と集中力が要求されていますが、MAPAの実施するトレーニングなどを経て除去員たちは安全に、かつ効率的に地雷除去を進めています。 どの地雷除去員たちも「体を張って自分の国から地雷をなくす仕事に誇りを持っている」と語り、また住民達も彼らに尊敬と感謝の念を持って、誰ともなく食べ物や飲み物を持ってきてくれるそうです。 このように気の遠くなるような活動を続ける事によって、アフガニスタンの人々が自由に大地を歩ける日が少しづつ近づいてきます。もちろん彼らの努力は地雷除去活動の中でも一番重要な要素ですが、この活動を支えていくためにも国際社会の理解、そして継続的な支援がよりいっそう求められています。 | | | 写真1 | 写真2 | | | | 写真3 | 写真4 | | | | 写真5 | 写真6 | | | | 写真7 | 写真8 | | | | 写真9 | 報告者:久保 拓人 |