アフガニスタン地雷情報2
2002/10/18

 アフガニスタンでは、ポスト9・11の空爆・略奪等の戦闘の結果、地雷除去活動に必要な多くの機材と設備を失った。日本政府の援助により、原状回復しつつあるが、当国から地雷の悲劇をなくすには、さらなる援助が必要である。
 住宅地、商店街、村、道路、灌漑設備、用水路、農場、牧草地を問わず、この国のありとあらゆるところに張り巡らされた地雷と不発弾の網の目は29県中27県(1585自治体)にまで及び、首都カブールを含む東部、南部、西部に集中している。近来の戦闘により、新たに計100平方キロメートルの地雷原と不発弾汚染区域が発生したと推定されるが、今なお続く戦闘活動のために正確な数値は把握できない。戦闘区域となったために、地雷除去を再開できない地域もいくつか確認されている。ポスト9・11の最優先課題として取組まれているのが、BLU 97型クラスター不発弾の処理である。
 添付の写真は処理済の米軍のBLU97型クラスター型爆弾である。ちいさなパラシュートがついており、子供の目を引きやすいものだが、もともと対戦車用に開発されたものなので、その殺傷能力はすさまじいものがあり、いまさらながら戦争の怖さを覗き見た思いである。
 2002年7月28日、カルザイ大統領はオタワ対人地雷撤廃条約の126番目の加盟国となる意思のあることを発表し、翌々日、外相が条約文書に署名、さらに本年の9・11に同文書を国連事務総長に提出した。同条約は2003年4月より、アフガニスタンにおいて発効する。地雷撤廃の国際的協約を結んだアフガン政府の要請に基き、2003年9月、国連アフガニスタン地雷対策センター(MACA)は、同国の人道的視点と復興ニーズを考慮した新戦略を発表した。
 2003年から2012年までの10年間をカバーする新戦略は、第一期5ヵ年計画(2003年―2007年)でハイインパクトのある地域(約800平方キロメートル)において地雷・不発弾処理を終了し、第二期5カ年計画において残りのローインパクト地域(約500平方キロメートル)の地雷・不発弾処理の完了を目論んでいる。新戦略を実行するには2002年のアフガン復興支援会議でプレッジされた復興資金とは別に計5億ドルの資金調達が必須である。
 同戦略が実施された場合、1万7千件の爆破事故が未然に防がれ、医療費だけで1億8千万ドル、これにもろもろの社会経済的利益を併せれば7億3300万ドルの経済的価値が生出されるとMACAでは試算している。また5億ドルのうち80%は現地人スタッフ給与および現地機材調達を通じ、アフガニスタン国内経済を潤すものと考えられている。
 MACAは新戦略を完遂させるための最優先条件の一つとして、治安の確保とともに国際社会からの支援の継続が不可欠であり、バランスのとれた複数年度にまたがる資金拠出の必要性を主要ドナー国に対し訴えている。

 

米軍のBLU97型クラスター型爆弾

報告者:小泉 尊聖

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