政情報告
2001/4/6

Overview

 2001年3月中の注目すべき動きを、以下の3点に要約した。第一にクマラトゥンガ大統領の訪欧。第二に、LTTEによる一方的な停戦宣言の再延長。第三に、シンハラ民族主義的主張を繰り返す人民解放戦線(Janatha Vimukuti Peramuna; JVP)の伸長。


1.クマラトゥンガ大統領の訪欧
 クマラトゥンガ大統領は3月12日より21日にかけてヨーロッパ諸国を公式訪問した。訪問先はドイツ、EU本部、オランダ、ベルギー、英国、フランスであった。特にドイツなどは26年ぶりの訪問であった。スリランカ国内各紙によるとこの訪欧には次の3つの目的があったといわれている。第一は、内戦問題の説明を行い、政府方針への理解・支援を各国から取り付け。第二の点としては、各国においてLTTEなどのテロ組織の活動規制強化を要請。第三には、スリランカとの経済関係の強化である。
 しかしながら、今回の公式訪問の最大の目的はヨーロッパ主要国から政府方針への支持を取り付け、和平交渉のための地ならしをすることであるといわれている。Island紙は、5月にノルウェーのオスロで和平交渉がスタートするであろうと報じた。

2.LTTEによる一方的な停戦宣言の再延長
 2000年12月22日にLTTEより発表された一方的な停戦宣言は、1ヶ月ごとに延長されてきたが、また3月22日に3度目の延長(4月24日まで)が発表された。ただし、今回の延長宣言には政府に対して警告的なメッセージが付されていた。政府はLTTEによる停戦宣言にもかかわらず、攻撃の手を休めず、この3ヶ月間でかなりの失地を回復した。LTTE側にとって和平交渉を有利に進めるためにはこれ以上の領土的後退は許されないとの思惑から、政府を揺さぶりにかけてきた模様である。

3.JVPの伸長
 最近の物価高、失業率の上昇を受けて政府に対する不満が民衆の間で高まっている。この物価高、失業の影響を特に受けている南部の若者たちの間でその不満は高い。シンハラ至上主義的な過激な主張を謳いながら、民衆の不満を吸収する形で最近急速に勢力を延ばしているのが人民解放戦線(Janatha Vimukuti Peramuna; JVP)と呼ばれるシンハラ系の共産主義政党である。JVPは各地で政治集会を開き急速に支持者を広げている。JVPは過去に2度、武装蜂起したことがあり、スリランカ社会の新たな不安材料として浮かび上がっている。

以上

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