「予防外交ワークショップ事業」

2001/3/17

 JCPD南西アジア代表事務ではスリランカの代表的な予防外交NGOであるNPC(スリランカ平和協議会)と協同で、地域のリーダーをターゲットにした、一連の「予防外交ワークショップ・プログラム」を開催している。

 「予防外交ワークショップ」とは、紛争の拡大防止と民族対立の解決、及び将来の平和共存を促すため、参加者に紛争の原因と平和的解決方法を理解してもらう、教育啓蒙セミナーのことである。具体的内容は、ブレイクスルー思考のトレーニング、メディアの民族主義的な報道と他民族の立場に立った視点の理解、紛争解決の理論、対話による問題解決のロールプレイトレーニング等で、2泊3日のワークショップ形式で実施している。

 このワークショップの核心は、自己の立場を相対化させることによって、自民族中心主義の考え方からの脱却を促し、他民族の存在を自民族の存在と同様に認識させ、スリランカの民族問題の解決を、戦争による他者征服の方法から、人間の“命”の価値を基にして交渉と和平よる平和共存の方法によって解決させようとする、いわば人々の意識改革といえる。

 今回はシンハラ、タミールの両民族が混在する文化・宗教上の中心都市キャンディで、地方政治家(与野党より1回平均25名が参加)を対象に6回のワークショップを行なった。地方議員である参加者は、ワークショップを通じて中央政治の和平推進を支持すると共に、地元に帰ってから学んだ内容を人々に伝えるため、ニ次的波及効果も大きい。

 ワークショップでは、当初懐疑的であった参加者も、次第に紛争の真実と平和に目覚め、新たな世界認識を前に、驚きと感謝の声が多数出されている。ワークショップの開催回数が増えるにつれ、人々の理解と支持を集め、地元の新聞やTVの取材を受けて注目を集めている。和平気運が高まる情勢下、最近では大臣や州議会リーダーがワークショップ会場に訪れるようになり、今後のさらなるワークショップ事業の発展が期待されている。

 人間の考え方は長い時間をかけて固まったものであり、数回のセミナーで人々の意識が容易く変わるものではないが、JCPDの予防外交ワークショップの試みは、同じアジアの兄弟であるスリランカの紛争解決に、平和国家日本よりの貢献として高く評価されている。

以上

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