投石防止プロジェクトの報告
2000/12/8

 JCPD中東代表事務所は、パレスティナ自治区のデヘイシェ難民キャンプにあるNGO Ibdaa Cultural Centerが主催する投石防止プログラムに参加している。これは、難民キャンプの子どもたちがイスラエル兵への投石に参加することを防ぐ目的で、NGO Ibdaa Cultural Center主催により、現地で活動する各国のNGOやボランティアが協力して行っている活動である。

イマジンを歌う子どもたち

 難民キャンプでは子どもたちのための遊び場はほとんど無く、高い失業率、公共施設の不備、劣悪な衛生環境など、子どもたちが置かれている状況は厳しい。何もすることがないために投石に行ってしまう子どもも少なくない。暴力的な行為に走りがちな難民キャンプの子どもたちの心理状態を改善・予防し、彼らが普通の子どもらしく遊び、健康的に育つことができるようにするためには、遊びや創作活動の機会と場所が必要であるとの認識のもとに、この投石防止プログラムは始まった。

 10月末より数回にわたって実施したプログラムには、毎回多くの子どもたちが参加した。主催者Ibdaaの代表や地域の教育指導者たちからも、この状勢下で心理的緊張が高まっている子どもたちのいる学校、村などでも同じような活動をして欲しいとの要望が出ている。

 6回目の実施となった今回は、係争地ラケル廟に近いアル・アッザ(ベイト・ジブリン)難民キャンプの子どもたちも参加した。プログラムでは、両キャンプの子どもたちのダンスや、参加NGOスタッフのギター伴奏によるジョン・レノンの“Imagine”の合唱(当日はジョン・レノン没後20周年)、身体を動かすゲーム等を行った。アル・アッザ難民キャンプの子どもたちが、係争地に近い同キャンプでの生活の様子をデヘイシェ難民キャンプの子どもたちに話す機会もあり、両キャンプの子どもたちはよく打ち解けた模様。プログラムの模様は取材に訪れたベツレヘム放送により後日放映される予定である。

石塚事務所員と子どもたち

 NGO Ibdaa中心メンバーの男子の多くは金曜日の礼拝に行ったため不参加だったが、女子メンバーがよくリーダーシップを取り、徐々に子どもたちによる自発的なゲームや歌がプログラムに盛り込まれつつある。今後、より自発的な活動へと発展していくことが期待される。

 プログラム直後にデヘイシェ難民キャンプ出身の17歳の少年がラケル廟前で投石中、イスラエル兵に頭部を撃たれて死亡したというニュースが入り、Ibdaaの子どもたちにも動揺が見られた。

 実際に投石に参加する青少年の多くを引き戻し、プログラムに参加させることが出来ているわけではなく、プログラムに参加しているのは比較的年齢層の低い子どもたちである。しかし、5~6歳の子どもたちが壁に向かって投石の練習をしている環境の中、心理的緊張を強いられ、次世代の投石参加者となりかねない幼い子どもたちにレクリエーション、ストレス解消の機会を与えることには意義があるものと考えている。

以上 

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