| LOYA JIRGA (ロヤ・ジルガ) アフガニスタンでは6月に招集されるロヤ・ジルガを巡って、そのあり方、代表の選出方法が新聞を賑わしている。意見の多くはロヤ・ジルガ開催そのものには肯定的であるが、代表の選ばれ方について疑問を発している。発展途上国における選挙全般に言えることと思うが、代表選出に当たって国民一人一人の自由意志に基づく選挙ではなく、強制ないしは限定された選出方法であることが不満を生んでいる。(日本においても一昔前まで、地方選挙には少なからずこうした傾向は見られたが。) ロヤ・ジルガ開催に際し、先ずロヤ・ジルガ委員会が組織され、選挙区、各区代表数の割当て、その他選挙全般にわたる詳細が決められる。これ自体問題はないが、論議の的は、候補選出に際しての決定方法と女性代表の人数制限及び女性候補者に対する圧力である。今回のロヤ・ジルガではアフガニスタン全体で男性代表1,450名、女性160名の合計、1,610名の代表(過去の例から見ると、この内、実際ロヤ・ジルガに出席するのは50~60%とのこと)が選出される。女性は人口の6割近くを占めるのに、なぜ僅か1割強の代表割当てしかないのか、候補選出に際し、なぜ個人の自由意志でなく最初から立候補者はシューラ(伝統的地域評議会)により事前指命されるのか、又、カブール市内のムサカーン選挙区にて自薦立候補した女性候補者は、タリバン時代に略奪行為を働いた一団(一般市民の見方は、タリバン時代の権力者の多くは、タリバンの象徴である顎ひげを剃っただけで、思考形態は従来と変わらず、現在も地区の要職に就いているものが多い)の圧力により立候補を断念した由。ほかにも私服軍人の一団が、自分たちの推薦する立候補者を選ぶよう住民に圧力をかけたケース、西カブールのとある地区では9人の立候補者が同じ派閥に属しており、誰を選んでも結果は同じ等のケースもある。これらはカルザイ暫定機構政権のお膝元、首都カブールの実情であり、地方においては部族、軍閥が優先するため、地域住民の主体的判断に基づく民主的選挙を実施するには、さらに遠い道程を歩まざるを得ない。 現在カブール市民の間で、カルザイ暫定政権は6月のロヤ・ジルガにおいて信任され、2年先の新憲法に基づく選挙に向けて行政を推進していくであろうと言われているが、この間、北部において依然勢力を持ち、必ずしもカルザイ政権を支持していると言い切れないドスタム将軍始め各地方の武装勢力司令官が、差異を超えアフガニスタンの安定・統一に向け歩調を何処まで合わせるか疑問視される。カルザイ政権を支える大きな要因は、同じパシュウトーン人である現在87歳のザヒルシャー国王の人気であるが、これから先2年間のうちに万が一のことがあれば、アフガニスタンが以前の群雄割拠の時代に戻る可能性は誰も否定できない。 以上 報告者:笹井英毅 |