明石会長のご挨拶

元国連事務次長で日本紛争予防センターがNPO法人化された2001年より会長を務める明石康よりご挨拶差し上げます。

日本紛争予防センターの設立

紛争予防とは

冷戦後の世界と紛争予防

小型武器問題と紛争予防

国連と紛争予防

NGOと紛争予防



All rights reserved
by
Japan Center
for
Conflict Prevention
2-14-11 Yushima, Bunkyo-ku,
Tokyo. 113-0034
Japan
Tel. 03-3834-2651
Fax. 03-3834-2652
Contact to Webmaster
[email protected]
JCCP © 2006

小型武器問題と紛争予防

地域紛争と小型武器

 

 冷戦後、国家間戦争に代わって頻発しているのは、難民流出や国家破綻を生む地域的な対立勢力間の国内紛争である。それに対し90年代はじめ、国連平和維持活動の強化が試みられた。しかし、ソマリア等での挫折に懲りた大国は紛争への介入を億劫がるようになり、平和維持活動の限界が露呈されている。

 

 そこで重視されるのが紛争予防だが、その関連で大切なのは小型武器の扱いだ。過剰な小型武器は紛争を直接惹起しないが、紛争の激化や再発を促す。2000年国連ミレニアム・サミットの事務総長報告によれば、冷戦後10年間の紛争によって約500万人が亡くなった。小型武器こそ「事実上の大量破壊兵器」である。国家の安全を中心とする「戦争」の時代は過去の遺物となり、人間の安全保障を重視せざる得ない「紛争」の時代になった。紛争予防は、小型武器問題の解決を必要とする。


小型武器とは何か

小型武器回収事業より

2002年カンボジアの武器回収事業

 1995年ガリ前国連事務総長は「平和への課題—追補」にて「ミクロ軍縮」を説き、小型武器につき注意を喚起した。2001年にわが国等の努力により、「小型武器の非合法取引のあらゆる側面」に関する閣僚レベル国際会議が開催され、83項目の行動計画が採択された。小型武器は大量破壊兵器に比べ破壊力に劣り、冷戦中、軍縮の対象にはならず、中米等「代理戦争」の現場にほぼ無制限に流れた。冷戦後も軍備削減で余剰となった小型武器が紛争地域に出回り、その「過剰蓄積」が問題視されている。

 国連小型武器会議政府専門家パネルの97年報告書によれば、「小」はナイフや棍棒から「大」は軍備登録制度が下限とする口径百ミリ以下の火砲までを小型武器と呼ぶ。軍事生産された武器に限ると、一人で使用する銃器等「小型武器」、数名が携行する銃砲等「軽兵器」、地雷等「弾薬、爆発物」の3種類になる。実際の紛争で死傷者を多数出すのはAK47等自動小銃だがこれらの操作修理は簡便で隠匿に適し、今日70カ国以上で生産され、1億丁以上出回っている。


カンボジアにおける当センターの小型武器破壊事業

過剰蓄積防止策(供給サイド)

 

過剰蓄積を防ぐ供給サイドからの方策として2001年国連小型武器会議は以下を提示した。

1, 小型武器の生産や取引を政府が許可した者に限るとする国内法令の整備

2, 合法的に生産、取引される武器を非合法取引に転用させないための、個々の武器の管理、刻印、データ整備、輸出基準、余剰武器の廃棄

3, 非合法取引を取り締まる地域レベルでの警察、税関、国境警備当局の相互協力

4, 調整機関設置と国内外での情報公開等の実施


過剰蓄積削減策(需要サイド)

 紛争終了地では「武器の文化」が浸透しており、治安が確立されない限り武器は手放せない。その場合の需要サイドからの措置として国連の「行動計画」は、以下を提案している。

・元戦闘員の「武装解除、除隊、社会復帰」を治安確立、民主化、開発等様々な活動と組み合わせ(例、カンボジアで推進する「武器と引換えに開発を」という日本の「草の根無償」援助)

・「武器の文化」を「平和の文化」に変えるための啓発と教育活動物、金、人の面で余力のある諸国が紛争終了地に協力の手を差しのべる

・市民社会からの協力を得る