| ブータンのJICA事務所に赴任して早いもので1年が過ぎた。ヨルダンに8年半、スリランカに1年2ヶ月と、紛争地に赴任した経験からすると、ブータンは平和そのものである。勿論南部国境地帯にゲリラが居るが、これはインドの反政府ゲリラがインド軍に追われて逃げ込み、キャンプ地を設営したものである。一昨年末に一部キャンプを撤去しない限りゲリラに攻撃を仕掛けるとの方針を立てたが、ゲリラ側が約束を守った為中止した。現在は国王が先頭に立ってゲリラと交渉し、平和的解決に努力している。 パレスチナ、スリランカと紛争の現場を経験して来たが、紛争は死と破壊のみで何も生み出さない。その犠牲者は常に一般民衆、特に弱者(女性、子供)である。紛争は基本的には利害・利権に関わる争いで、極く一部の者がそれで大儲けしている現実がある。 ところで、本年10月から国際協力事業団は独立行政法人化により新生JICA(国際協力機構)が発足する。新法では平和構築への取組みを明示する為、目的規定に「復興」が新たに加えられた。平和構築の根本は民生安定と人権であり、全ての人が基本的生活水準と平等の権利を享受出来る事にある。開発の理念も元来はそこにある。そうした意味では、遅きに失した感はあるが、誠に喜ばしい。新生JICAに大いに期待する処である。 JICAに比べてJCCPは小さいが、小なりと云えども今や檜舞台での独演のチャンスだ。今後とも活躍を願っている。 国際協力事業団シニア海外ボランティア調整員 元日本紛争予防センタースリランカ代表 野崎威三男 |