スリランカでバブニア出張所開設

 本会報既報のとおり、当センターの人道的地雷除去事業は、デンマーク地雷除去グループ(DDG)の全面的指導を受けて、その第1段階(当センター地雷除去スーパーバイザー候補生辰巳竜悟、一志康洋の訓練課程)を終え、近くその第2段階(辰巳、一志がDDG専門家とともに、スリランカ人地雷除去要員45名を訓練する課程)に入る。
 訓練予定地は、スリランカ北部の政府支配地域と反政府組織LTTEの支配地域の境に位置する要衝バブニアであるが、ここで50名近い組織を維持、運営し、地雷除去訓練を実施するためには、在コロンボの当センター代表事務所の現地出張所をバブニアに開設する必要があり、11月1日に同出張所が開設された。
バブニア出張所、所員一同

 出張所の体制は、辰巳、一志両スーパーバイザーに地雷除去リエゾン・オフィサー野田朋子が加わった3名だが、コロンボにいる笹井英毅在スリランカ代表、鈴木惠理代表事務所員も全面的サポート体制を取っている。
 地雷除去訓練事業を支えるロジの重要性は意外に大きい。国防省等のスリランカ政府諸機関、UNDP等の諸国際機関との折衝から始まり、現在の最大の課題は、スリランカ人地雷除去要員45名の人選だ。既に100名以上の候補者が応募してきているが、面接しての選考は気が抜けない。訓練開始ともなれば、万一の事故の場合の傷害保険も必要だ。張り詰めた空気の中でバブニア出張所の毎日が過ぎてゆく。

 


スリランカで平和構築事業開始 

平和構築ワークショップの模様
 当センターは2003年9月からスリランカで2つの平和構築ワークショップと1つの職業訓練プロジェクトを新しく開始した。
 平和構築ワークショップは、民族、宗教の混在する地域の青年を主たる対象に、ケーススタディにより紛争解決策を学ばせるものであるが、その第1は、コロンボから北方へ約100kmのプッタラム地区において開始した。すなわち、シンハリ、タミール、モスレム、そしてモスレム人国内避難民(IDP)の4つのコミュニティが混在する同地区内の青年層を対象に、異なる立場の関係者の間で意見交換をつうじて相互理解を促す試みが実施されている。
 第2は、北部バブニアにおける戦争未亡人を対象とした平和構築ワークショップである。戦争未亡人特有の問題を参加者間で共有し、彼女たちが社会へ進出する助けとなるように企画されている。
 第3の事業は、それらの戦争未亡人の子供たちに対する職業訓練プロジェクトである。戦争未亡人家庭の収入向上や自立支援を目的にして、子供達にウォーターポンプ修理やエンジン修理の技術を教えている。

 


次期地雷除去要員

 当センターがDDGの全面的支援を受けて人道的地雷除去事業に乗り出し、それを担う地雷除去スーパーバイザーの第1期生2名(辰巳、一志)がこのほどスリランカでその訓練課程を修了したことは、既報のとおりだが、その後を追う第2期生4名(予定)の選抜が始まった。
 すなわち、この選抜試験を受けるため、当センターの事前選考をパスした5名の日本人青年がさる11月14日に成田空港からアフガニスタンに向けて飛び立った。この5名は、アフガニスタンでDDGから適性評価と模擬訓練を1ヶ月間受け、最終的に適性ありと認定された4名(予定)が、その後の地雷除去スーパーバイザー候補生訓練課程に進む。この本格的訓練は、スリランカあるいはアフガニスタンで受けることになる予定。

 


アフガンで職業訓練 

 当センターのアフガニスタンにおける「若年除隊兵士のための職業訓練および社会復帰支援プロジェクト」(既に4回実施)については、累次既報のとおりだが、11月から6ヵ月間の予定でその第5回が始まった。
 今回は、カラカン地区26村(人口4.7万人)を対象に、木工、金属工、レンガ工の職業訓練を実施するが、同地区はタリバンと戦ったタジク人の居住地区で、タリバンによる被害が甚大であり、失業率も60%に達している。
 除隊兵士達は、当事業で木材加工・金属加工、レンガ積み等の技術を習得したあと、地区内の破壊された家屋の修復などの復興事業に参加することになる。また、今回のプロジェクトでは、狭義の職業訓練だけでなく、平和教育やコミュニティーへのボランティア活動も授業に組み込み、その紛争予防効果を高める工夫をしている。

 


会 員 の 広 場

紛争予防に関心を!

支持会員 曽根弘陽 

 ある日、当社の女子社員が辞表を持ってやってきた。何か不満でもあるのかと聞いたところ、英国の大学院で平和学を学びたいというので、喜んで送り出すこととした。そこで、日本紛争予防センターの会員でもあることから、事務局の方にオリエンテーションをやっていただいた。昨今、紛争やテロに関する情報は引きもきらない。情報化社会の中、若者達の間に紛争予防に関する関心が高まり、紛争勃発を阻止する力になることを希望している。
(株式会社ジーフォーン社長)

思想としての紛争解決

一般会員 芹沢智一

 Conflict Resolution(CR)を米国の大学院で専攻している。授業で扱うテーマは家庭内不和から国際紛争までと幅広く、各自の関心で専門分野を絞る。進取の気性に富んだ国柄が反映した実験的プログラムだと感心する一方、理論研究が必ずしも実践に直結しないもどかしさも感じる。CRのベースには、あらゆる事象の操作可能性を謳う近代西洋思想があるが、そこに強みも弱みもあると思う。
(ジョージメーソン大学紛争分析・解決学部修士課程)



「CP-Net」開設

 インターネットが急速に普及しつつあるグローバル化時代だが、紛争予防に携わる全世界のすべての団体や個人をカバーしたネットワークはあるのだろうか。それがあれば、紛争予防という共通の目標のために努力しているすべての関係者は、情報を共有し、研究や活動の無駄を省き、効率的に仕事を進めることが出来る。
 その夢を実現したのが、10月1日に当センターが開設した「CP-Net」(紛争予防ネットワークサイト)である(http://www.conflict-prevention.org)。
 「CP-Net」は既存の「アジア太平洋紛争予防団体要覧」の対象を全世界に拡大し、紛争予防に関する「イベントカレンダー」「専門家要覧」「団体活動報告」も掲載している。今後は「ビデオライブラリー」「求人・求職情報」も掲載してゆく。


 


紛争予防「公開講座」

 9月8日(月)から12日(金)までの5日間、笹川平和財団の助成を受け、赤坂の日本財団ビル大会議室にて、今年で3回目の開催となる紛争予防市民大学院「公開講座」が開催された。
 弓削昭子国連開発計画駐日代表による「開発と紛争予防」、横田洋三中央大学教授による「国際法と紛争予防」など、紛争予防分野の第一線で活躍する講師計6名による「紛争予防」に関する講義に、日本各地から集まった115名の受講者が、連日午後6時半より8時まで熱心に耳を傾けた。
 次回「第4期公開講座」は2004年9月、開催予定。

 


『JCCPメルマガ』創刊

 当センターの内外各地(とくにスリランカ、カンボジア、アフガニスタン)における活動状況や現場で活躍する海外事務所員たちの声などを、登録者すべてにメールで定期的にお届けする目的で『JCCPメルマガ』(日本語版英語版)が10月15日創刊された。
 E-mailアドレスをお持ちの方であれば、どなたでも登録できる。もちろん無料。隔月発行である。この『会報』よりも情報が早いと好評を博している。第2号は、12月15日に発行された。

 


センター活動日誌(9-11月)

9月8-12日

紛争予防市民大学院「公開講座」(日本財団大会議室)

9月22日

スリランカにて職業訓練および平和構築ワークショップ開始

9月25日

第156回国際政経懇話会(茂田宏前国際テロ対策担当大使他16名)

9月27日 スリランカにて平和構築ワークショップ開始
10月24日 紛争予防市民大学院「海外研修コース」参加者5名スリランカへ出発
11月 4日-2004年4月30日
       アフガニスタンにて若年除隊兵士の職業訓練プロジェクト開始 
11月 5日 第157回国際政経懇話会(守屋武昌防衛庁防衛事務次官・日本国際フォーラム政策委員会参与他16名)
11月14日
 -12月15日
地雷除去スーパーバイザー候補生5名、訓練/適性検査の為アフガンへ出発
11月27日 第158回国際政経懇話会(北岡伸一東京大学教授他21名)

 


新規入会会員の紹介

〔9月-11月〕

 一般会員 [1口]吉川圭一、成岡弘美、千色菜穂子、今康博(入会日付順)

 


助成金・寄付金

本年9月1日以降11月30日迄の間のご助成・ご寄付は、次のとおり。

笹川平和財団        300万円
八頭高校同窓会       120万円
教育新聞社          20万円
新堀由美子           500円

 


事務局便り

 2003年10月1日にカンボジア代表事務所が移転しました。今まではホテルの6階。エレベーターがなく毎日階段で昇り降りしていたが、一軒家に移転したことでその苦労は消えた。ところが、今度は皆運動不足に。事務所員の中にはマラソンを始めた者もいるとか。

 

  

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