カンボジアに選挙監視団派遣

 1992年に国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)が発足したあとのカンボジアでは、1993年、1998年と2回の総選挙が行われたが、本年7月27日にはその3回目が実施された。
 紛争後社会における自由かつ公正な選挙の実施は、民主主義の定着をつうじて紛争の再発を予防する重要な要素である。このため、国際社会は紛争予防活動の一環として選挙監視活動を実施しているが、カンボジアにおいても、第1回、第2回につづき、今回の総選挙でも国際社会は積極的な選挙監視活動を展開した。また、カンボジア政府国家選挙委員会もその呼びかけ、受け入れに当ったが、これに呼応して当センターも独自に15名から成る選挙監視団を組織し、これを7月21日から8日間カンボジアに派遣した。
政党支持者から聞き取り調査をする
当センターの監視団員

 選挙監視団の中心となったのは当センターの緊急在外活動要員登録制度に登録している6名の若者たちで、その中の1人である村上祐公君が団長となった。ほかに在カンボジア代表事務所の田中剛代表など事務所員9名も参加し、15名の団員は4チームに分かれて、7月22日から27日までの計6日間、プノンペン市、カンダール州、コンポンチャム州、ラタナキリ州で選挙監視活動に従事した。
 今回の総選挙は、人民党、フンシンペック党、サム・ランシー党の3党が争い、人民党が勝利したが、前回の選挙ほどではないものの、選挙運動や投票行動の妨害が依然として目撃された。当センター選挙監視団は9月11日に総括報告書を作成し、発表した。

 


アフガンで職業訓練 

除隊兵士たちに職業訓練
 本会報で累次既報のとおり、当センターのアフガニスタン代表事務所は、「若年除隊兵士のための職業訓練プロジェクト」の第1回(昨年4月から6ヶ月間)および第2回(昨年10月から3ヶ月間)を実施してきたが、若年除隊兵士の社会復帰はアフガニスタン社会の安定確保の鍵を握っている。
 当センターは、このような認識を踏まえ、昨年11月から第3回(20名対象、6ヶ月間)、また本年6月から第4回(30名対象、3ヶ月)の「職業訓練コース」を実施した。これまでに、100名の若者が大工、金属加工工、電気工などとして巣立っている。

 


地雷除去スーパーバイザー訓練修了

地雷除去訓練に従事する辰巳所員

 本会報既報のとおり、当センターは国際的地雷除去団体「デンマーク地雷除去グループ」 (DDG)と技術提携して、人道的地雷除去事業に本格的に進出したが、その第一段階である当センター地雷除去スーパーバイザー候補生2名の訓練課程がこの程無事終了した。
 すなわち、7月20日から上記候補生として辰巳竜悟および一志康洋の2名が、スリランカ北東部の港湾都市トリンコマリー近郊にてDDG専門家より直接地雷除去の理論やノウハウを現場で習得していたが、9月12日にその全課程が終了したもの。
 今後の第2段階としては、地雷除去スーパーバイザーとしての第一歩を踏み出した辰巳、一志が、DDG専門家とともに、スリランカ人スタッフ45名の訓練に入り、訓練終了後はかれらから成る地雷除去チームを編成する。
 その後は、第3段階として、実際の地雷除去作業に入ることになるが、DDG専門家は、このような当センター地雷除去プロジェクトの第3段階にもアドバイザーとして協力する。

 


トヨタより車輌寄贈 

トヨタ自動車スリランカ社より車輌の贈呈を受ける
 当センターは、3年前にトヨタ自動車殿よりワゴン車のご寄贈を受け、スリランカ事業推進の原動力として活用させて頂いたが、現地道路事情から消耗が著しく買い替えを迫られていたところ、本年7月に改めて同種車輌(価格230万円)をご寄贈戴いた。紙面を借りて心から感謝の意を表したい。

 

 


会 員 の 広 場

「予防」とは何か

支持会員 平井照水 

 9・11後、米国は「自衛」のため、つまり次のテロを予防するために、アフガニスタン空爆を行い、大量破壊兵器の拡散を予防するためにイラク空爆を行ったとする。予防のための「先制攻撃」が政治的手段として言及されているのである。「戦争の世紀」ともいわれる20世紀は、戦争を違法化し、限定しようという努力を積み重ねてきた世紀でもあった。法という網に絡め取ろうとしてきた戦争を、先制攻撃や予防戦争の名の下に再び解き放っていいものだろうか。諸刃の刃ともなる「予防」を、政治的プロパガンダではなく、人類の平和のためにこそ生かしていく英知が、今改めて求められている。
(総合研究開発機構主任研究員)

平和構築と開発

一般会員 安藤宣孝

 スリランカの和平プロセスのユニークな点は、長年の内戦により破壊された北東部の復興等の人道問題の解決をまず先に進め、その過程で徐々に信頼醸成を図っていき、最終的に自治権等の政治問題を話し合うという段階的アプローチを採用したところです。UNDP、UNHCR、UNICEFも和平プロセスを補完・支援するために各機関内に平和構築事業の専門部署を設置、3年間の共同復興・平和構築事業も策定されました。また、世界銀行、アジア開発銀行、各国政府系援助機関を含めた定期連絡会合も設置され、事業連携を行っていく体制も確立されました。今後はNGOなども含めたより幅広い連携システムの構築が必要とされています。(UNDP平和構築事業調整官)



紛争予防市民大学院セミナーコース実施

軍事評論家江畑氏の講義をうける研修生たち
 「紛争予防市民大学院」の第5期「セミナーコース」が8月1日から22日まで当センター会議室を教室として開講された。応募者47名から選抜された13名が受講した。
 明石康当センター会長が「国連と紛争予防」、軍事評論家の江畑謙介氏が「現代紛争研究」、ダールストローム公使が「ノルウェーと紛争予防」を講義するなど、一流の講師陣を迎えて、理論、政策、事例の3分野にわたり、35時限の講義が開講された。
 受講生は大学院生、青年海外協力隊OBから現職の国連職員まで多岐に渡り、講義だけでなく、自由討論、ディベートなどの時間もあり、お互いに切磋琢磨しながら研修に励んだ。その意欲的な受講態度には講師からの評価も高く、活気のある「セミナーコース」となった。13名全員が19日に行われた論文試験に合格し、最終日には阿曽村邦昭所長から修了証書が手渡された。
 また、「セミナーコース」受講生13名の中から選抜された5名は、10月から12月にかけてスリランカ、カンボジアで実施される「海外研修コース」にも参加することとなり、その名簿も最終日に発表された。

 


第5回理事会、第3回通常総会開催

 さる6月16日当センター会議室にて、伊藤憲一理事長他理事5名の出席を得て第5回理事会が、また6月20日国際文化会館にて、山口達男支持会員(議長)他正会員71名(議決権行使書出席者含む)の出席を得て第3回通常総会が、それぞれ開催された。
 この理事会および通常総会では、2002年度事業報告書案、同収支報告書案、特別基金会計管理報告書がそれぞれ審議、承認されたあと、阿曽村邦昭所長より「デンマーク地雷除去グループ」(DDG)と提携するにいたった経緯等について報告がなされた。

 


新規入会会員の紹介

〔6月-8月〕
 一般会員 [1口]村上裕公、杉尾武彦(入会日付順)

 


助成金・寄付金

本年6月1日以降8月31日迄の間のご助成・ご寄付は、次のとおり。

笹川平和財団        600万円
立正佼成会一食平和基金   400万円
日本国際協力財団      300万円
トヨタ自動車         230万円
国際ボランティア貯金     80万円

 


センター活動日誌(6-8月)

6月3日
 -8月31日

若年除隊兵士の職業訓練実施(アフガニスタン)

6月6日

市川伊三夫、宮本けいし両監事による2002年度決算監査

6月16日

第5回理事会開催(伊藤憲一理事長他5名)

6月19日 第154回国際政経懇話会(安藤裕康外務省中東アフリカ局長他)
6月20日 第3回通常総会開催(山口達男議長他71名)
6月28日 笹井英毅アフガニスタン代表、在スリランカ代表に兼任発令
7月1日 トヨタ自動車より在スリランカ事務所にワゴン車1台ご寄贈
7月9日 スリランカ国防省と地雷除去NGO登録のための覚書(MoU)締結
7月16日 第155回国際政経懇話会(佐野忠克経済産業審議官他21名)
7月21-28日 当センター選挙監視団(15名)、カンボジア総選挙を監視
7月30日
  -8月3日
阿曽村所長、カンボジアへ出張
8月1日-22日 紛争予防市民大学院「セミナーコース」(修了者13名)

 


事務局便り

 スリランカ地雷除去要員の辰巳竜悟と一志康洋を支援するため、野田朋子と鈴木惠理も現地入りし、バブニヤ事務所開設は間近。コロンボ事務所も、長く不在だったスリランカ代表に笹井英毅アフガニスタン代表が兼任のまま着任し、さらに望月大平が加わった。

 

  

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