2009/10/8

本部事務所の移転など、JCCP近況ご報告(第16回通常総会を終えて)

 私が明石康会長に頼まれて当センターの運営体制建て直しのために理事長をお引き受けしたのは3年前の2月でした。当時のこの掲示板でも述べていますが、その年の8月の第10回通常総会で大幅な定款改正、組織体制のスリム化、合理化などの一連の措置が承認され、再建に向けての第一歩が踏み出されたのです。

 3年前の当時は外務省やジャパン・プラットフォーム(JPF)などの助成団体への事業助成の申請も自粛していたので年間事業費収入も数百万円程度(継続案件)といった最低の状況でした。その年の10月には経費節約のため本部事務所も六本木ヒルズ近くの麻布十番から湯島に移転してきたのです。明石書店の石井昭男社長から市価の数分の一という破格の家賃で現在の事務所を提供して頂いたからです。まさに、地獄で仏に会ったような心地でした。ノーベル平和賞のアジア版と言われるマグサイサイ賞を受賞されるほどの方ですから、当センターの活動趣旨をよく理解して下さり、3年間の期限付きでしたが、「その間に力をつけてください」と励まして下さったのです。

 その後3年が経ち、いよいよ来月にはこの事務所を後にして早稲田に移転することになりました。「ひとり立ち出来るほど力がついたのか?」と問われれば、正直なところもう少し時間が欲しいのですが、いつまでも甘えることは許されません。幸い、当センターはこの3年の間に次第に本来の活気を取り戻し、事業活動を着実に拡大することに成功してきました。自粛していた事業助成への申請も2年前には再開され年間事業費収入も3千万円ほどに達しました。その翌年にはこれが4千5百万円ほどに増大し、4年目の本年度には1億円に迫る状況となっています。

 当センターのこのような力強い復活ぶりにつきましては9月9日に開催された第16回通常総会の席で私から報告しましたが、瀬谷事務局長からも最近の事業活動の展開状況について詳しい説明が行なわれました。この1年間に開始された新規事業を列挙してみると、先ず南セルビアでは松元洋在バルカン地域代表と上田貴子プロジェクト・コーディネーターにより小学生を対象とする民族間融和事業が実施されました。外務省の助成を得て行われた事業です。カンボジアでは少数民族の識字教育を日本国際協力財団の助成により開始しました。また、本年4月に内戦が終了したスリランカでも塚本俊也理事に現地調査をお願いするなどして国内避難民キャンプで妊産婦健康改善支援事業を開始しました。

 言うまでもなく、最も多くの新規事業が開始されたのは東部アフリカ地域でした。高井史代在ケニア代表が責任者となって実施している東アフリカ地域の現地NGOの平和構築分野での能力強化事業はUNESCOとの共同プロジェクトですが、すでに第2年度に入っており新規事業ではありません。しかし、ケニア国内でJPFの支援を受けて開始された暴動被害者への心のケア支援事業と「国際ボランティア貯金」の助成を受けて開始された国内難民のための給水・住居支援プロジェクトは今年に入ってからの新規事業です。

 このほか、瀬谷事務局長が昨年秋にはUNDPケニア事務所からの業務委託を受けてケニアの国際平和支援訓練センター(IPSTC)の2年間の訓練計画を企画、立案しました。また、同事務局長は本年1月から3月にかけても外務省のNGO事業補助金からの一部助成によりスーダンに出張して案件立案のための調査を実施しました。NHKはその様子を取材して4月に「プロフェッショナル 仕事の流儀」で放映しました。このようにして企画、立案された南部スーダンでの子供や若者のための職業訓練事業がJPFの支援のもとに開始されることになり、プロジェクト・コーディネーターの中西美恵さんが近日中に現地に赴任する予定です。さらに、本年5月からは瀬谷事務局長がUNDPからの依頼を受けてソマリアにおける国内治安改善のための情報収集とアセスメント、モニタリングおよび評価手法の構築を実施中です。

 以上に述べたように当センターの海外における事業活動はこの3年間飛躍的に拡大しつつあり、在外代表、日本人職員などの顔ぶれも次第に充実してきています。また、NHKのテレビ番組放映もあり当センターの知名度も格段と高まっています。このような喜ばしい成果は瀬谷事務局長の活力と行動力に負うところが少なくありません。2年前の4月に当センターが同事務局長を迎えることができたのが「大正解」であったのです。

 他方、当センターの活動は未だ発展途上の試行錯誤の段階にあることも否定できない事実です。とくに、海外事業の拡大につれて本部事務局の人員的、財政的基盤の整備が急務となっております。このため、当センターとしましては会員、支持者の確保、拡大にも引き続き力を入れてまいりますので、昨今の経済情勢は厳しい折ですが、皆様方の暖かいご理解とご支援お願い申し上げる次第です。

 末筆となりましたが、来月からの本部事務所の移転先は早稲田大学とフォー・シーズンス・ホテル(椿山荘)の中間の神田川沿いの場所となります。都内で残された唯一の路面電車である荒川線の終点「早稲田」駅のすぐ近くです。麻布十番、湯島もそうでしたが、今回も江戸・東京の伝統文化の情緒が漂う由緒ある土地柄となります。これを機に心気一新して頑張りますので、引き続きご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。